2014年3月18日火曜日

記憶が重なり浮かぶ色・「シャガール展」

日曜日の夕方。
静岡駅北口からほど近い静岡市美術館へ。

シャガール展/静岡市美術館


やはり。チケットのブルーを見て回想。
シャガールの絵、という記憶の中で
私が最も強く思い起こす色。
熱い情感の赤とは対象的に
静かに、祈るような青。

シャガールが描いた、パリ・オペラ座の天井画。
ジゼル、火の鳥…
真上に見上げて、オペラ座で開催された演目の数々を想像。
そして、
メッス大聖堂の薔薇窓から射す光で揺れるブルー。



会場を一巡、
最後にもう一度
吸い込まれるように凝視してしまった3点。


左上の青は「花」。
親子のようなシルエットが左下に映る。
花を抱いているようにも見えるし
花にまつわる記憶の一端かもしれない。
右上の赤は「ラ・ペ通り」。
この燃えるような赤は
体感の記憶の中にかすかに見えた。
右下の「天蓋の花嫁」。
どこかで何度も目にした記憶がある。
幸せの中に悲しみがある。
今の中に、忘れられない記憶がある。

バレエ「ダフニスとクロエ」の背景画、衣装デザインを手がけることになったとき、シャガールは、この物語の舞台であるギリシャに赴き、感じる色とその表現を深く探求したという。

記憶を重ねて浮かぶ色。
複雑な心象にあえて重ねられるゆえか
色そのものに不思議な透明感がある。

わずか1時間強の滞在で時を忘れた。

いつかニースにあるシャガール美術館にも行ってみたい。

この展覧会は次回名古屋、愛知県美術館(4/17~6/8)へ。


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