2013年10月24日木曜日

香りを着る(3)肌に重ねてこそ

フレグランスは肌に重ねてこそ。

生きた人の皮膚に乗り
本来の皮膚の匂いと一体となり
体温で温められ
ゆっくりと衣服の間からこぼれるように
動きとともに香る。

その香り方が
さりげなくイメージを喚起させるものであるかどうか。
それが大切なのであって
ボトルからスプレーした試香紙の匂いだけでは
立体的な香り方は確認できません。

いわば、服を服として見ているだけでは
似合うかどうか最終的に確信できないのと同じこと。

服を着るときも
最初に下着、ブラウス、上着、というように重ねます。
香りの場合は、清潔な皮膚が前提というのがベスト。
最初につけるスキンケアローションやクリームが下地になるなら
その上に重ねるフレグランスは見えないドレス。
身につけてこそ美しく香るもの。

先日、
お菓子のような甘さを感じさせるボディクリームをいただき
私は足先に塗りました。
ウエスト周辺から手首に微量纏ったフレグランスは
フローラルウッディタイプのものでしたが
遠くからかすかに立ちのぼる甘い香りと穏やかに調和。
複数の香りのレイヤーで
深みのある香り方を楽しむことができたと思います。

私の場合は
纏っている香りがいくつかレイヤーになっているので
「なんていう香りをつけていますか」と聞かれても
答えられません。

纏っているフレグランスが
何というブランドの何という名前のものか、
ということなど
露呈される必要もなく
あくまでも纏う人の存在感が主役。


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