2013年7月23日火曜日

「音楽に始まり、数学へと発展する」語学の面白さ

文字は音を表す記号であり
言葉は状況に応じた意味を表し
文章は心情、思考、状況…を表していきます。

これは…
香料が一つ一つの香りを持つ素材であり
香料の選び方でイメージという意味を持たせ
全体の調香により、ドラマや様々なシーン、メロディが
表現されていくのに似ています。

フランス語の動詞に改めて興味を深め
『初学者も 専門家も 動詞オンチではフランス語はわからない』
というフランス語文法研究者である一川周史先生のテキストを読んでいたら
こんなフレーズに出逢いました。誰が言ったかなどは書いてありません。

"Les langues commencent par étre une musique et finissent par étre
une algèbre."
(言語というものは音楽であることから始まり、代数になって終わる)

同感です。
まずは音、そして論理、表現。

さて私の幼少期。
外国語に音楽を感じて興味を持ちました。
とにかく話せるようになりたいと思いました。
以来、ラジオの講座をきいて英語を学びました。
ネイティブの方の発音をひたすら真似ました。
文法が面白くなってわかってきたのは
数学を学び始めた中学時代から。
文法という一定法則が見えて解ける面白さ。
中学生のときに一番好きな教科は数学と美術になりました。

さて私が大人になってから。
大学で何を専攻しましたかと質問され、
「外国語学部でフランス語を」と答えると
「ああ、仏文科のご出身ですね」
とよく誤解されますが
外国語学部と文学部とは全く違います。
とはいえ
学問としてのアプローチが違うだけで
両者に優劣はありません。
学んだことをどう生かすかは人次第ですから。
文学が好きな人は文学部で文学から研究すれば良いし
根本的に言語というものに、
そしてその言語と表裏一体の文化に興味のある人は
外国語学部で学ぶと面白いと思います。

少なくとも、母国語とは違う文化の言語を
その音から仕組みまで徹底的に「何故だろう?」の精神で
比較研究していくうちに…
思考の手段が拡がり
複眼的、多角的に物事を捉えるようになってきます。

今年の4月からNHKで放映されている
「テレビでフランス語」のテキストを愛読しています。こちらでは、最新フランス語事情を垣間見ることができるだけでなく様々な連載も面白いのです。

今期は、19世紀フランス文学ご専門の鹿島 茂氏による
「鹿島 茂のフランス文学教室」を毎号楽しく読んでいます。
ご紹介された作品のいくつかを
私は、フランス文学としてではなく
子供の頃に世界名作全集で日本語で読んだり
オペラで知ったものとして記憶していました。
一通りフランス語を学んだ上で鹿島氏の解説を読むと
一味も二味も違う解釈があって楽しいものです。
やはり原文は深い!と。

音楽でもあり数学でもあり芸術表現ともなりうる言語は
やはり文化の鏡そのもの、と思います。


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