2013年1月27日日曜日

「香水瓶とは香りの住む家…」と語ったピエール・ディナン


『大分香りの博物館コレクション 美しき香水瓶 ーピエール・ディナンを中心にー』が、静岡県磐田市の磐田市香りの博物館にて開催(〜2月3日)されています。

20世紀を代表する香水瓶デザイナーとしてイヴ・サンローラン、ジバンシィ、クリスチャン・ディオール他、数多くの香水瓶を手掛けたピエール・ディナン氏は1931年パリ生まれ。

香水はデリケートな液体ですから、ディナン氏の言葉のとおり「住む家」が必要です。その香りが良い状態でいられるようにというだけではなく、目には見えないその香りのイメージを伝えるヴィジュアルでもあるのです。

展覧会トップページにも大きく表示されている、イヴ・サンローランの香水 " OPIUM"(1977年) のボトル。これはディナン氏にとって代表作の一つかもしれません。2004年に氏が東京で講演されたとき、ご本人もこのボトルが一番好きとおっしゃっていました。「阿片」という意味のネーミング。印籠のかたち。

ジバンシィの "AMARIGE"(1991年)のボトルも印象的です。
私自身、このボトルを初めてミラノで見たとき、すぐに手にとってみたくなりました。手のひらのカーヴに沿うガラスの曲線とふんわりとした羽のようなキャップは
幸せな気分を思わせ、香りのイメージと違和感なく感じられて迷わず購入したことを今もよく憶えています。

香りの愛好家にはもちろん、そうでない方にとっても、ボトルのヴィジュアルからどのような香りのすみかであったのかを想像する楽しさがありますね。

参考文献
香りの専門誌 "PARFUM" 164号
「芸術と香水 102」(p16~p17)

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