2012年5月5日土曜日

シャネルの名言から「匂いたつ」人を想像


香水、それこそ一番大事なもの。ポール ヴァレリーの言葉どおり、
お粗末な香水をつけている女性に、未来はないわ
ー ココ シャネル

(TV番組「ディム ダム ドム」で、ジャック シャゾーとのインタビューに答えて。ガイ ヨブ監督1969年)


ティラー・マッツエオ著『シャネルN°5の秘密』の冒頭には上記が記されています。フランスの詩人ポール・ヴァレリーの言葉を引用してこう答えたココ シャネルは当時80才を超えており、このインタビューの翌年には新作香水『シャネルN°19』を発表、その翌年に亡くなっています。

ココ シャネルのこの名言を思い起こしたのは、服飾史家である中野香織さんによるコチラのブログで紹介されている内容。中野さんが「ファッション歳時記」を連載されている「 まんまる」は北日本新聞購読者にしか入手できないようで、早速私は富山の実家に依頼して送ってもらうことに。本日到着し拝読。




日頃から私が香りを纏う上で大切に考えてきたことが、服飾史家の視点からも説得力のある語り口で綴られており、この文章を郷里の多くの方々が読まれたことを嬉しく思います。

中野さんは、まずは中世イタリア貴族が「スプレッツアトゥーラ」(技とは見えない「さりげない技」)と呼んだ言葉を引用、これを着こなしや振る舞いにおける不変の美の基準として挙げられました。新たな出会いの季節を迎える春、そのさりげない美のための強い味方としてフレグランスがあること、素敵な人だったと記憶に残るのは決まって「さりげなく(ほのかに)」香る人であったと綴られています。

そうですね。まさに香りというものは囁くように人の嗅覚に届いてこそ優雅。
鋭敏で繊細な嗅覚を魅了するには、予期せぬ一瞬の微香でも十分なのです。
そしてこのご指摘も重要。


気づかれなかったらソン?いえいえ、何よりも香りは自分に対する意識を変えます。


そうなのです。出掛ける前に何度も鏡を見るのが眼で確認できる自信のためであるとしたら、鼻からも確認してさらにウットリしてください。もちろん、自分の繊細な嗅覚が心地よいと感じる香り方で。
鏡の自分に見惚れるように、自分から不意にふわりと漂う香りにもウットリしてほしい…間違いなくそのときアナタの表情は魅力的なのだから。

内側からの自信が周囲に「匂いたつ」人として映るということを、中野さんの文章から改めて再認識される方も多いことでしょう。

なお、ティラー・マッツエオ著 大間知 知子訳『シャネルN°5の秘密』/原書房 については、昨年私もコチラにてご紹介しています。


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