2011年11月25日金曜日

世界の天然花香を活かすヴィンテージフレグランス(ジバンシィ)

10月のブログ「ジバンシィ プレミアム フレグランス2010 の3種」にてご紹介のフレグランス。これらに使用される香料のうちでも特に重要となる原料の一種が天然の花香料。2010年収穫の花から得られた貴重な香料を用いてつくられた3種をお借りする機会に恵まれましたので、記録を兼ねてのご紹介をしたいと思います。

まずは、2010年トルコ・イスパルタ産ダマスクローズ使用。
ヴェリィ イレジスティブル ジバンシィ プレミアム 2010。
フレッシュな薔薇のデリケートなみずみずしさが引き立っています。


2010年、イスパルタは遅い春の訪れと長雨のおかげで例年より開花期間が長くなったことにより、高品質のバラが多く収穫。ラズベリーにも似たフレッシュなグリーンノートが極めて繊細に、優しい香りを放っています。

次に、2010年コモロ諸島・モヘリ島産イランイラン使用。
アマリージュ プレミアム 2010。
甘くフレッシュなバナナを想起させるイランイランのエキゾチックな魅力が光っています。


2010年、モヘリ島は、雨季の訪れが遅く、アマリージュのために選ばれた花は5月初旬、イランイランが満開になり始める時期に採取。芳香性の高い最上級の花は、アマリージュの晴れやかなミドルノートにフルーティな甘さとパウダリーな上品さを与えています。

そして、2010年中国・広西省産サンバックジャスミン使用。
アンジュ デモン プレミアム 2010。
熟した果実のような甘さを携えたジャスミンがもたらす艶やかさと安らぎ。


2010年、広西省では干ばつ⇨大量降雨という急激な気候の変化により花の回復力が増し、極めて短期間で成長し、上質な花が得られました。サンバックジャスミンのフルーティでフローラルな香りがミドルノートを艶やかにしています。

年ごとに異なる花の質。たとえば…ある年に収穫されたダマスクローズの香りが抜群に芳醇で甘くフルーティーなトップノートに富んでいたとします。調香師はこの香りを最大限に活かすべく、ダマスクローズ香を既にブレンド処方の一種としていた既存フレグランスの全体としての調香をさらに精密に再構築するのです。

こうしたヴィンテージフレグランスをジバンシィが、「その年の大自然の恵み(花香料)を体現する類稀なる逸品…ジバンシィ プレミアム シリーズ」としてプロデュースし始めたのは、2005年産のものからでした。
2005 ブルガリア産ブルガリアンローズ ⇨ ヴェリィ イレジスティブル、グラース産ミモザ ⇨ アマリージュ
2006 シャトー・ドゥ・グラース産セントフォリアローズ ⇨ ヴェリィ イレジスティブル、ナブール産オレンジブロッサム ⇨ オルガンザ、マヨット島産イランイラン ⇨ アマリージュ
2007 モロッコ産ダマスクローズ ⇨ ヴェリィ イレジスティブル、エジプト産ジャスミン ⇨ オルガンザ、インド産ミモザ ⇨ アマリージュ
2008 トルコ・イスパルタ産ダマスクローズ ⇨ ヴェリィ イレジスティブル、マダガスカル・ノッシベ島産イランイラン ⇨ アマリージュ、インド産サンバックジャスミン ⇨ アンジュ デモン
2009 モロッコ産セントフォリアローズ ⇨ ヴェリィ イレジスティブル、 フランス産ミモザ ⇨ アマリージュ、エジプト産オレンジブロッサム ⇨ アンジュ デモン

植物の恵みに感謝するのは、食べ物としてだけでなくその芳醇な香りそのものに対しても同様。改めて、暮れ行く2011年の地球上の香りの恵みに感謝したいと思います。

参考資料:
「2010 HARVESTS ジバンシィ プレミアムシリーズ」ニュースリリース

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