2011年11月5日土曜日

インスピレーションは音楽から・ゲラン イディール デュエット ローズ&パチュリ

自然に湧き上がる心のときめきがロマンティックに表現された香り、ゲラン イディールは、繊細な香りの雫を想起させるオラ・イトのボトルデザインとともに今も私の記憶に鮮明に残っています。
イディールのボトル・記憶に残る曲線美

それから2年。調香師ティエリー・ワッサーが、フランスのロマン派音楽の作曲家であるエクトル・ベルリオーズによる歌曲集「夏の夜に」にインスピレーションを得て生み出したのが、"イディール・デュエット ローズ&パチュリ"。イディールの香りのシンフォニーから抜け出したローズとパチュリの香りの繊細なハーモニーが、従来のイディールの香りの骨格を引き立たせています。日本では2011年6月3日に限定発売されました。








薔薇の花とパチュリの葉でしょうか。さりげなく柔らかな曲線が描かれたこの特別なボックスに収められたボトル。曲線はイディールそのままですが、中身の液体は赤みがかった琥珀色。

確かに異質な存在が静かに出会い、共鳴し合いながらやがて一体化していく穏やかな音楽を聴いているかのごとく香ります。もはや一つひとつの音を追いかけることはできません。一つの調べという流れとなっています。調香師は薔薇やパチュリの香りを使って音楽を奏でているかのようです。

イディールデュエットには、イディール オーデパルファンの約2倍のブルガリアンローズエッセンスが使用されているそうです。そしてインドネシア産のパチュリは厳選された葉のみがその香料として使用されるのだとか。天然香料という原材料にこだわるゲラン。おそらく単体でもうっとりできるようなローズやパチュリなのでしょう。

確かに2年前のイディールの香りの雰囲気を保ちつつ、おごそかな高貴さとともに洗練された華やかさが増しています。そこにはすでに、天然のブルガリアンローズ精油そのもののワイルドな華やかさは見当たりません。パチュリ自体も主張してはいません。まるで好奇心旺盛なハツラツとした薔薇の花の精が、森の奥深くに眠るしっとりとしたパチュリの温もりに導かれ…共鳴しあううちに本来の気高さが抽出されたかのごとく。

この秋、イディールからはもう一種薔薇の香りを生かしたタイプも発売されたようですが、この薔薇とパチュリの優美なデュエットはまずは私の備忘録に残しておきたいと思います。





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