2011年9月1日木曜日

「タッチトリートメント」の大切さ

引き続き、「やはり」と実感したこと。


10年以上前、アロマセラピストになってから私は、毎日修行の一環として毎日のバスタイムでは石鹸を泡立てた自分の両手で全身を洗うようになった。毎日自分の皮膚を触ることによって皮膚の状態が感じられるのはもちろん、どんなふうに触れたら心地よく感じられるか試行錯誤した。結果、手のひらを密着させて比較的ゆっくりとしたスピードで触るのが心地良いと気づいた。さらにお客様への施術や自身のセルフトリートメントを通じ、この「触る速度」が、リラックスしたときの人の呼吸のリズムに合致することが重要と認識。
こんなことは学校では教えてくれない。皮膚についても専門家の著書で勉強した。その精巧なバリア機能とデリケートな構造を知れば知るほど、現代人はあまりにも皮膚を洗いすぎで無防備に触りすぎだとも実感していた。

これまで勉強のためだけでなく自分のリラックスのためにと様々なプロのアロマセラピストに施術を受けたが、このスピードで満足できたケースは少なく、かえって疲れることもあった。エステティックサロンの施術は結果ありきなので、どこかしら「結果のためには多少の苦痛はガマンして…」と心地良さへの期待値を下げて受けるので、求める価値は根本的に違う。

それゆえ、昨夜NHKの「ためしてガッテン」という番組で、皮膚に触る速度が1秒間に5cm位のとき最も心地よいというアメリカでの研究データがあったという話を垣間見たとき、「やはり!」と思った。私はこの部分しか見られなかったが、ずっと視聴していた家人によれば、こうしたゆっくりとした触りかたによるハンドタッチによって認知症が改善したケースがあったという。皮膚で感知する心地良さや安心感が脳に与える影響は大きい。考えてみれば、胎児の初期、まだ未分化の頃の外胚葉という部分に、皮膚は神経とともにあった。皮膚へのこうしたタッチを、単に「丁寧な人柄ゆえ」とかそんな曖昧なことは言えなくなった。科学的にも立証されはじめている。それは従来のいわゆる特定の治療効果を目的にした「マッサージ」ではないと思う。もたらされるものは深い心地良さと安心感。その先、その身体と心がどう変わるのかはその人それぞれなのだと思う。



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