2011年2月24日木曜日

Miss Dior… とナタリー・ポートマン

…昔のノート発見。貴重な資料なので保管していた自分に感謝。香水の学校での講義メモ。授業中速記したノートを後で清書し直してまとめてる。だから今でも内容を記憶しているんだね。書かれている文字が読み易く綺麗。25才の私よありがとう。未来より。…

これは本日のTwitterでの私の呟きです。

昔のノートを探してしまったのは、ゆうべチラリと見てしまった "Miss Dior Chérie" の最新CMのせい。主演女優のナタリー・ポートマンから、"Miss Dior Chérie"の母ともいうべき ディオール初のフレグランス、"MIss Dior" (1947)誕生のエピソードを思い起こしてしまったのです。あの映画 "レオン"(1994)で鮮烈に感じた意志の強さから数年後、スターウォーズ新三部作で魅せたエキゾチックなエレガンス。知性に潜む野性を決して忘れることのない、そんな魅力が現在の彼女の柔らかな女性美の背景にあるのだから。

様々な変遷を重ねた彼女が、この香りを象徴するリボンの揺らめきとともに、ひとつの美のピークを発散しているかのような映像。きっと今年は彼女にとって特別な年となるはず。ベストタイミング。

私のノートからの抜粋を記します。*には文献からの注釈を追記します。
…1947 ミス・ディオール。ディオールにはおてんばの妹がおり、じゃじゃ馬、遅刻の常習犯で、マドモアゼルとは呼ばれず…ミス・ディオールと名付けた。
1940~50年にかけて、ファッションでは(*1)ニュールックが台頭。ナチュラルで、より良き時代を求める心を表現、香りではグリーンタイプの1940年代から(*2)シプレタイプの1950年代へ。

*1
…丸みをつけた肩、女性らしさに溢れた胸元、ふわっと広がったスカート、ウエストを絞ったそのスタイルは、まさに花の冠のような女性美そのもの…そして「ハーパースバザー」の編集長がそのドレスを"ニュールック"と呼び、一躍モード史にその名前が連ねられ、ディオールラインの基礎となりました。
…香水評論家・平田幸子氏の著書「香水ブランド物語」より

*2
…シプレという言葉は、1917年にコティ社がつくった香水「ル・シープル」(日本語でキプロス島の意味)に由来。キプロス島とは当時はバカンス先として大変人気のある場所で、トルコの南方にある地中海の島。ベルガモット、ローズ、ジャスミン、オークモス、パチュリ、ラブダナムを組み合わせたこの香りは斬新で、それ以降につくられた「ル・シープル」似の香水はシプレ調と呼ばれるようになりました。
…調香師・新間美也氏の著書「香水のゴールデンルール」より

新間美也氏によると、"MIss Dior" はグリーン・フローラル・シプレの代表的な香り。「シプレ」は新間氏によって挙げられた香り選びのパーソナリティキーワードでは、「クラシック」、「アーティスト」、「グラマー」のカテゴリー中で紹介されていた香りノートの一つでした。どこかナタリーを彷彿と…。そして2005年発売の "Miss Dior Chérie" は、愛らしい女性にぴったりの甘い香り、モダンシプレと称されていて現在のナタリーに重なります。このタイミングで彼女を選んだ審美眼。さすがディオール。











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