2011年1月4日火曜日

プランナー

職業名を一言でわかりやすく表現することが難しい時代になってきたとつくづく思います。ある人がどんな仕事をしているのかを理解するとき、単に職業名という名詞からではなく、プロフィールの文章全体を読んでようやくイメージできることも多いからです。

私自身は現在、究極の一言で自分の職業を表現するとしたら「プランナー」という名称を選択したいところです。しかしながらこの名称だけでは抽象的すぎて何のジャンルで具体的に何をしているのか、イメージしてもらうことは困難です。

そこで、他人になるべくイメージしてもらえるようにするために、まず私が関わっている仕事のジャンルが「香り」であることを示すために「アロマセラピスト」という呼称を先に記しました。これは実際に某社団法人の協会認定資格を取得したことをきっかけに使用するようになったものです。

しかしこれだけでは、「香り」といってもアロマテラピーの分野に限定され、アロマテラピートリートメントの施術を専門に提供、という狭義の意味でのみ捉えられがちでした。そこで、大学講義(ファッションを専門に学ぶ学生対象に現代の香り文化を紹介、香り体感を通じて視覚表現力を磨く目的)を担当する講師であることも名刺に列記しました。

この名刺を様々な方にお渡しして頂いた質問と私の回答を列記してみます。

「ファッションも専門に学ばれたのですか?…大学で専攻したのはフランス語ですが、その後デザインコンサルティング会社でプランナーの1人としてアパレル企業のクライアントを担当したことがあります。その後フレグランスの勉強をしながらファッション誌の編集者も経験した時期がありました。」

「仕事のメインはアロマセラピストとしての施術で講師はサブですか?…どちらがメインという位置づけはしていないです。香りによって喜ばれる価値をいくつかの手段で伝え企画提案、提供しているにすぎません。」

確かにアロマトリートメントという施術サービスを頻繁に提供していた時期もありましたが、意欲ある後輩に指導させて頂き各々が立派に成長しているので、もはや私は「施術」という方法に固執していません。「香りという手段で様々な問題解決に取り組むプロ」として職業名「アロマセラピスト」を、もう一つの呼称「プランナー」を添えて名乗ろうと考えました。

ここで私が意味する「アロマ」は人にとってポジティブな意味をもつ、広義の「香り」を示します。私の周囲には、香りと一口に言っても様々な優れた専門家がいます。香水評論家の先生やキャリアを重ねた調香師の方々、販売に携わる方々等。このような方たちの功績をきちんと伝え活かすことも重要と常に考えています。

プランニング(企画)。それはあえて個別に名称を設けるに値する重要な仕事です。私が蓄積してきた知識や経験、スキルの活用だけでなく、様々なクライアントの状況から何が問題なのかを探り、より良い状態に導くための具体的な提案を行うために欠かせないものです。実際私はこれまで、いくつかの企業のプロジェクト監修コンサルティングを請け負ってもいますが、この仕事はまさにプランナーとして取り組むものと考えています。

思えば高校時代、私は理数科という科に所属していました。数学が最も好きな科目だったという単純な理由で選んだのですが、大学も高校で学んだ世界史に触発されて外国語学部を選びました。分類上それは文系だったわけですから高校~大学でかなり異質な仲間に揉まれました。様々なタイプの人物に私は幾度も自分の考え方を否定されたり拒絶されたりある時は共感されたりしたものです。現在の職業観をかえりみるに、学問を自由に追求する時期というのは極めて重要だったと思います。




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