2010年11月17日水曜日

ブルガリア

ソフィア空港からこの国に降り立って真っ先に感じたのは山のラインの美しさ。のびやかで遠くまで見渡せる清々しさは今もよく憶えています。7月初旬の夜8時台はまだそんなふうに明るかったのでした。建築にはどことなくアジアを感じさせる風情もあり、西と東の文化が融合されてきた歴史を感じます。この国は日本ではヨーグルトで有名でしょうか。確かに乳製品は豊富です。野菜、フルーツ、肉類、ワインも非常に美味しい農業国です。

ダマスクローズ。多くの調香師の方々が「香りの女王」と絶賛する天然香料はこの薔薇から抽出されます。ブルガリアは、このダマスクローズの生育にきわめて適した気候風土を持つ国で、水蒸気蒸留法によるこの薔薇の精油、ローズオットーの抽出技術を長い年月を掛けて磨いてきました。私が昨夏この国を訪れた目的とは、まさにこの世界的な高品質を誇るダマスクローズのローズオットー。2009年はブルガリアと日本が外交復興50周年という記念すべき年でもありました。稀少価値の高いこの精油を抽出直後のフレッシュな状態で買い付ける企画のために、薔薇から精油が抽出されて国立バラ研究所での品質チェックが行われる時期に合わせて渡欧したのです。

日本の本州の約半分の面積、人口約750万人(対して東京の人口は2010年8月の時点で人口約1300万人)。国土の東側は黒海に面し、南側はギリシャ、北にルーマニア。日本からは今のところ直行便はなく、一度乗換えが必要です。

ロシア語でも使用されているキリル文字を用いたブルガリア語が公用語ですが、首都のソフィアではビジネス上多くの人が英語を話します。ローズオットー生産に携わる会社の社長さんは英語とドイツ語を理解され、国立バラ研究所の所長さんは母国語以外はフランス語のみという状況でした。やはり海外輸出がほとんどというローズオットーに携わる方々ならではです。一方バラの谷のあるカザンラクなど地方に行くと、ちょっと立ち寄ったお店ではブルガリア語しか通じないこともありました。最低限の挨拶表現、数字、疑問詞位は覚えておいてよかったと思います。

7月はちょうどラベンダーの最盛期で畑の一帯は素晴らしく清々しい香りで満ち溢れていました。ブルガリア産のラベンダー精油もなかなか香り高く高品質であることがわかりました。豊かな香りは豊かな自然から。改めてそうした環境に感謝し、大切にしたいと思います。


参考情報 :
パレチカWeb中~ブルガリア買付旅行記


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